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毎日社説:社民党 「抵抗政党」も一つの選択だ

毎日社説:社民党 「抵抗政党」も一つの選択だ
http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/shasetsu/news/20060214k0000m070154000c.html
 社民党は先週末の党大会で、イラクなどへ派遣した自衛隊の現状について「違憲
状態」とする新たな「党宣言」を採択した。旧社会党時代の村山富市委員長(元首
相)のもとで「自衛隊は合憲」と路線転換して以来、12年ぶりに基本文書で「違
憲」の表記が復活した。
 自衛隊自体の憲法判断には言及していないが、与党から「先祖がえりだ」と批判
され、民主党からも「方針転換で党勢拡大どころか逆のばねが働くような気がして
ならない」(前原誠司代表)とおせっかいを焼かれるありさまだ。
 社民党はジリ貧状態にある。政権交代可能な2大政党化時代で、社民党はいわば
政界の「負け組」となった。少数党の悲哀をかこつ社民党が生き残りをかけて独自
路線に踏み出したことを、単に時代錯誤と切り捨ててしまっていいのだろうか。
 路線転換には、もちろん党内事情がある。「違憲」の明記は地方組織からの要求
が強かったという。地方党員は高齢化が進み、55年体制下の旧社会党時代を懐か
しむ人が多いが、現実には党の選挙を支えているのが地方組織の人たちだ。執行部
はこういう人たちの声を無視できない。
 しかも硬直した路線に失望した党員たちは他党にくら替えしてしまうから、結果
として党内の現実路線派は淘汰(とうた)されていく傾向にもある。今回執行部が
取った、自衛隊の存在自体は否定しないけれども今の活動を「違憲状態」とした表
記は、党内にある「非武装中立派」と市民運動派の双方の顔を立てたのだろう。
 事情はさておき、民主社会の多様性を担保する意味で、政権を取るのが目的でな
い政党があるのは少しも不思議でない。今回採択した社民党の党宣言などから浮き
彫りになるのは、社民党は政権を目指さないことをはっきり決断した点である。
 なぜなら、細川政権の与党だったころに小選挙区導入に賛成した党の決定を、党
大会で「正しくなかった」と反省し、当時の違反者に下した処分を取り消し、名誉
を回復している。この決定と「違憲状態」の表記を重ね合わせると、村山社会党の
政権与党入りは「間違いかもしれぬ」と総括したことに他ならないのではないか。
 万年野党が看板だった社民党は、政権与党入りして衆院への小選挙区制導入に賛
成したことから党の衰退が始まった。社民党はそのことに気づき、また抵抗政党の
道を歩み始めようとしている。今回の党大会はそのことを確認するセレモニーだっ
た。
 改憲対護憲では、護憲の側につき、小選挙区制対中選挙区制では、中選挙区を取
る。社民党はアナクロニズムだとか、55年体制にタイムスリップしたと言ってみ
ても意味がない。資金も党員も減った「負け組」党が、いったん忘れ去られた視点
を復活させることに党の存在をかけたのだ。政権を取らないことを覚悟した政党が
「ダメなものはダメ」と言い続けても何の不都合もなかろう。
毎日新聞 2006年2月14日 0時24分
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