小沢氏訪中 対立軸は示せたけれど
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sha/20060707/col_____sha_____003.shtml
民主党の小沢一郎代表が中国での主要な会談を終えた。今回の訪中で米国重視一
辺倒の小泉外交への対立軸を示すことには成功した。ただ、政権を目指すなら、そ
れだけで終わってはならない。
野党外交は政府・与党の立場では訪問しにくい国に行ったり、持ち出しにくい話
題を切り出すところに意味がある。小泉純一郎首相の靖国参拝問題で日中間の首脳
交流が途絶えていることを考えれば、胡錦濤国家主席と率直に話し合えたのが一番
の成果だろう。
胡主席は「両国間の政治的障害を早く取りのぞけるよう努力することを希望する
」と、首相と「ポスト小泉」に靖国神社への参拝をやめるよう求めた。小沢氏は具
体策は示さなかったが「互いの努力で解決できる」と応じた。
小沢氏には小泉外交との違いをアピールする狙いがあった。中国側はそんな小沢
氏を政治利用しようとしたのだろう。双方に思惑があったにせよ、中国の首脳と日
本の野党リーダーが日中間のトゲともいえる靖国問題について意見交換し、信頼関
係を築いたのはよかった。
小沢氏の描く外交戦略は小泉流の対米重視一辺倒でなく、中国などアジア諸国も
大事にしてバランスの取れた外交を展開し、日本の安全と繁栄を図ろうというもの
だ。私たちも理解できる。そうした外交姿勢を鮮明にした訪中だった。
折から北朝鮮のミサイル発射で、日本は国際社会との連携強化に迫られている。
首相はブッシュ米大統領と電話会談し、国連安保理での制裁決議採択に向け、協力
することで合意した。しかし、北朝鮮に強い影響力を持つ中国や隣国の韓国の首脳
とは対話できない。首相や「ポスト小泉」には関係修復の義務がある。
小沢氏は訪問先の天津市内で、記者団に対し、北朝鮮に対する経済制裁に慎重な
考えを示した。
国内では冷静さをやや欠いた制裁論が過熱している。与党だけでなく共産、社民
両党からも一定の制裁を容認する声があがる中、「経済制裁は軍事力を使うところ
までいってしまう」という発言は傾聴に値する。
小沢氏は来年夏の参院選で与野党を逆転させ、衆院解散・総選挙に持ち込み、政
権奪取するシナリオを描く。その出発点として政権担当能力を示すための外遊だっ
た。
今回の成果をどう次につなげるか。小沢氏は九月の代表選までに自らの基本政策
をまとめるという。民主党にとって鬼門ともいえる外交・安保政策づくりの成否が
次のハードルになる。
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