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[T12] 日本の主権 妨害をしていたのは誰?

既存メディアの無責任さ、無自覚さを教えてくれる社説です。社説:金大中事件 核心部分はどうしたの?(毎日)

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社説:金大中事件 核心部分はどうしたの?

社説:金大中事件 核心部分はどうしたの?
http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/shasetsu/news/20060207k0000m070155000c.html
 白昼堂々と東京都心のホテルから、韓国の野党政治家だった金大中(キムデジュ
ン)氏を拉致し、密出国させる−−という前代未聞の国際犯罪をめぐり、日韓両国
首脳がこれほどまでになれ合いで政治決着を図っていたとすれば、驚き、あきれる


 韓国政府が公開した外交文書の内容だ。「捜査継続は建前」「これでパーにしよ
う」「私も開き直ったから」……生々しいやりとりが事実なら、外交上最優先され
るべき国家主権が恣意(しい)的に軽んじられたことになる。謝罪のため来日した
金鍾泌(キムジョンピル)首相側より、むしろ田中角栄首相が政治決着を急いでい
たように映るのも意外で、原状回復のための金大中氏の訪日を望まないとまで発言
していたのならば、ゆゆしき問題だ。

 金大中事件では、在日韓国大使館の1等書記官が関与したとされ、韓国政府もこ
の書記官を解職している。当時の情報機関、韓国中央情報部(KCIA)の組織的
な犯行との疑いも濃厚だ。日本政府としては本来、原状回復と原因究明、関係者の
処罰を断固として求めるべきであり、政治決着には当時から批判の声が強かった。
真偽は判明していないが、田中首相への韓国政府からの献金疑惑が米議会で取り上
げられた経緯もあるだけに、日本政府としても関係する文書の公開に踏み切り、真
相究明を急ぐべきはいうまでもない。

 今回の公開は、韓国外交通商省の独自の判断によるものとされているが、一方で
国家情報院が事件の調査を進めており、近くKCIAの関与を事実認定する方向で
調査結果を発表するとみられている。国家ぐるみの犯罪であったかどうかが解明す
べき事件の核心なのに今、KCIAの関与を否定した上で両国政府の癒着ぶりを強
調する朴政権下の文書の公開を先行させたことは理解に苦しむ。

 韓国政府が軍事政権時代の不正腐敗を総括し、旧弊を一掃しようとするならば、
真相究明を徹底するのが筋ではないか。国家として主権を侵害していたならば、改
めて日本に謝罪すべき立場であることを忘れては困る。金大中氏が大統領に就任し
、自ら解明作業を進めると期待されたのに実質的な進展がみられず、日本側関係者
が失望したことも指摘しておきたい。

 当時の日韓関係を重視した政治決着がやむを得なかったとしても、主権侵害の責
任があいまいにされてきたことは遺憾と言わざるを得ない。1954年のラストボ
ロフ事件で旧ソ連のスパイが米国に亡命した際、米国側がひそかに東京・横田基地
から出国させたことに当時の政府は激しく抗議。警察庁の捜査員を訪米させ、スパ
イ本人から事情聴取して主権を守ることにこだわった。それに引き換え、金大中事
件での弱腰は際立つ。

 その後、北朝鮮工作員の密出入国を食い止めきれず、拉致事件の発生を招いたの
も、沿岸警備なども含め、主権に対する日本政府の甘さが災いした面は否めない。
事件から33年、互いの主権を尊重しつつ両国政府が連携して暗部を暴き、うみを
出し切る時機である。

毎日新聞 2006年2月7日 0時03分
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